子どものスマホの使い方
今回は小学生の子供にスマホを持たせることが不安なお母さんからご相談があったので私の考えをおまとめさせていただきました。
スマホは敵じゃない
「スマホって危ないんでしょ?」――そう思う気持ち、よくわかります。だけど、スマホ自体はただの道具。
使い方を覚えれば、勉強にも連絡にも、とても便利な相棒になります。
まずは家族で「何のために使うのか」を言葉にしてみましょう。
例:「家族友人への連絡のため」「調べもの、学習のため」「写真や動画づくりのため」
「止める=守る」だけではありません。守り方を学ぶことが、長い目で見るといちばんの安全につながります。
制限だけの落とし穴
「子供が使うんだし、最初は安心安全のために設定をガチガチに...」とセキュリティを固めると、安心はします。でも、そのままだと「自分で見分ける力」が育ちづらいんです。逆に「丸投げ」も危険。
ちょうどいいのは、親子で伴走しながら緩めたり締めたりしていくやり方をおすすめしています。
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強い制限だけ → 学ぶ機会と信頼が減る
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何もしない → 監視放棄になりがち
- 正解 → 設定+会話+見直しをセットで回す
向き合い方の軸をそろえる
合言葉は安全・尊重・責任。これを家族の共通ルールにしましょう。
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安全:個人情報、位置情報、知らない人とのやり取りは慎重にする
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尊重:顔が見えないからこその言葉づかい、相手を傷つけない言葉を徹底
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責任:課金ルールを守る(お小遣いからなど)、返事はできるときに短くでOK(必ず返事をする癖つけ)
使い方は以下のような3つに仕分けすると迷いにくいです。(内容はあくまでも例)
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OK:家族・学校の友だちとの連絡、調べものなど学習
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要相談:新しいSNSやウェブサイトの登録、オンラインゲームのVC、公開設定の変更
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NG:顔出し写真の公開/位置情報共有/知らない人のDM/無断課金
親子の実践ステップ(ゆるく段階式)
まずお子さんがスマホを使い始める際のステップについてまとめました。
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共用からスタート:最初は親のスマホを一緒に操作。「よい例/わるい例」をその場で見せる
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親子でわかりやすい設定に:ホーム画面を親子で設計(連絡/学習/趣味の3フォルダ)
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週1お話し会実施:10分でOK。「困ったこと」「うれしかったこと」「新アプリのインストール相談」を共有
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初投稿は一緒に:SNSや連絡ツールなどの初めては一緒に使いましょう。プロフィール、公開範囲、写真の写り込みはお父さん、お母さん側でしっかり確認。
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トラブル練習:怪しいDMや詐欺画面のスクショを見せて、対応をロールプレイ。
設定は“補助輪”として使う
学びのコツは、理由をセットで伝えること。
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Web/アプリの年齢制限:怖い画像や悪質広告を避けるため。
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課金の承認制:お金は目に見えないから、家のルールで動かすため。
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位置情報の共有:通学時だけONなど“目的限定”。
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段階的に緩める:約束が守れたら、小さく解除→信頼を積み上げる。
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失敗したら更新:罰より「再発防止」。設定とルールを一緒に見直す。(怒ると逆効果!)
起こりがちなリスクと「すぐできる対策」
ちょっとした不注意で起きてしまう事故。
そんなつもりはなかったと言っても起きてしまうリスクを事前に把握しておくことで対策も取りやすいと思います。
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個人情報の漏えい:本名/学校名/制服/通学路が写る写真 → プロフィールは匿名、制服写真は投稿しない、学校内の写真は投稿しない、位置情報は基本OFF。
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SNSトラブル(いじめ・炎上):コメントは「教室で言える言葉」だけ、嫌がらせを受けた場合は証拠保存→大人へ→ブロック。(ブロックしたことで何か言われても、無視→すぐ大人へ)
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危険サイト・年齢不相応アプリ:年齢制限順守。
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詐欺・フィッシング:発信元を確認、個人情報やプリペイドコード写真は絶対に送らない、迷ったらスクショ→親へ(これができる信頼関係の構築が最重要)
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使いすぎ・睡眠不足:就寝1時間前はオフ。ナイトシフトON。寝室に端末を持ち込まない。
スマホを超えて通用する力
結局のところ、大事なのは向き合い方です。これはテクノロジーが進化していっても同じ考えです。
今回はスマホを題材にしていますが、これがAIに替わっても同じです。新しいものをブロックしてしまうのは簡単ではありますが、いざ使うタイミングになったときに困るのはお父さん、お母さん、またお子さんです。
昨今なんでもインターネットを信じるのも良くないですが、それは昔からあるテレビや新聞も同じです。
時代に合わせて使える力、考える力を育てる重要性を改めて考えてみてください。
最後にまとめ
スマホは敵じゃありません。
制限に頼り切らず、対話で育てるのがコツ。
ルールは固定ではなく、年齢や生活に合わせて更新していく約束をしていき続けることです。
困ったら、一人で抱え込まずに相談してください。
よろず相談屋しおちゃんは、各ご家庭に合わせた運用ルールづくりを一緒に考えます。