良い人材採用をするために
今回は採用で困っている企業さまの相談が増えてきていることもあり、時代の変遷を交えて「なぜいい人材が来ないのか」を紹介させていただきます。
なぜ「良い会社」に良い人材が来ないのか?
「給与も賞与も悪くない」「人間関係も良好」・・・そんな会社にも関わらず、なぜか良い人材が集まらないという声が増えています。
その原因は、企業側が提示している「働きやすさ」だけでは、今の求職者には響かなくなっているからです。
たしかに働きやすさは重要ですが、それは「最低限の条件」であって「求めている条件」ではありません。
採用市場は大きく変化しています。求職者は企業を選ぶ視点を変えてきており、企業がまだ過去の常識で採用活動をしているとすれば、そのギャップが応募者不足の原因になっている可能性があります。
企業が与えるもの vs 求職者が求めているもの
経営者や人事担当者が「これは良い条件」と思っていることと、求職者が実際に「魅力」と感じることがズレているケースが非常に多いです。
たとえばですが、企業側が重視してアピールしているのは、
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安定した雇用
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アットホームな社風
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充実した福利厚生
これだと昭和、平成時代と何にも変わりありません。
一方、直近で求職者が関心を寄せているのは、
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キャリアアップができる環境か
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自分の市場価値を高められるか
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成長の機会があるか
つまり、時代は「受け身で長く働く」から「能動的に成長したい」へとマインドが変わってきているのです。
Z世代・ミレニアル世代の志向とは
特にZ世代(1990年代後半〜2010年頃生まれ)やミレニアル世代(1980年代〜1990年代前半生まれ)は、従来と異なる価値観を持っています。
彼らが仕事に求めるのは、「何が得られるか」「この会社で何ができるか」です。具体的には、
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意味のある仕事をしたい
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市場価値を上げたい
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柔軟に働きたい
さらに、リスキリング(新しいスキルの習得)や副業・兼業を通じて、自分のキャリアを自分で形成しようという意識が強まっています。企業はこの「キャリア自律」の流れを無視できません。
現代の採用に必要な3つの要素
今の求職者に響く採用活動には、次の3つの要素が欠かせません。
1、採用条件だけでなく「学びの設計」を提示する
給与や福利厚生といった条件面だけでなく、
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入社後にどんなスキルが身につくのか
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資格取得支援や社内研修の有無
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メンター制度の導入
といった「学びの機会」を明示することで、成長志向の高い求職者の関心を引くことができます。
2、「成長環境」と「評価の透明性」の言語化
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チームでどう成長できるか
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評価の仕組みはどうなっているか
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定量評価(成果)と定性評価(行動・プロセス)のバランス
これらをしっかり言語化し、採用ページや求人票で可視化することが重要なポイントです。
3、採用ページ・求人票の情報アップデート
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仕事内容の詳細だけでなく、入社後1年の仕事の流れ
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実際に働いている人のキャリアパス例(3年後・5年後)
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写真や動画などの視覚的コンテンツの活用
最近は特に動画コンテンツが増加しておりますが、候補者が働くイメージを持てるような工夫が必要です。
よくある誤解と改善ポイント
「即戦力がいない」という声もよく聞きますが、本当にそうでしょうか?
実際には「企業側が選ぶ」以前に、「求職者に選ばれる理由」が弱い企業が多いのが現実です。
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求職者が知りたい情報が求人票に書かれていない
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企業の一方的なアピールになっている
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自社の当たり前を言語化できていない
こうした点を見直すだけでも、応募の質・量は大きく変わります。
人材が集まる会社は未来を語っている
求職者にとって、給与や福利厚生、職場の雰囲気が重要なのは間違いありません。
でも、それだけでは応募に至る「決め手」にはなりません。
本当に心を動かすのは、
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この会社で得られる経験は何か
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どんな未来が待っているか
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自分がここでどう成長できるのか
といった「未来へのストーリー」なのです。
採用においても、企業は「過去と今」だけでなく、「これから」について語る必要があります。
良い人材を採用したいなら、自社の未来と、そこで働く人の未来を描き、伝えていきましょう。
伝え方に困ったらお気軽にご連絡いただければと思います。